



賛否両論の家族のかたち


石井裕一著書『人間レンタル屋』の映画化
家族レンタルサービスなどを展開する株式会社ファミリーロマンスの代表石井裕一の著書『人間レンタル屋』の実写映画化作品です。
本作品は、娘の為に父親をレンタルしたシングルマザー家庭の物語をオムニバス形式の連作長編映画。元夫が急に家に来てレンタル父親が本当の父親でないと娘にバレてしまった母の物語、家族レンタルを何度もリピートして依頼する内に強く依存していく母と子供の物語、依頼者が亡くなりレンタル父親から実の父親ではないと告げられ取り残される少女の3編を映像化。
家族レンタルのサービスを利用したことによって起こる人間関係の変化を通じ、「DV」「離婚」などの社会問題に一石を投じます。また、かりそめの家族を演じるという特殊な職業が成り立つその背景、見栄や体裁を気にする日本の国民性をもあぶりだしていく作品になっています。

演技派俳優、注目の若手俳優が共演
連作第一弾のキャスト陣は、主人公のシングルマザー・河合朋子(カワイ トモコ)役に、「全裸監督」(内田英治監督・武正晴監督)「東京の恋人」(下社敦郎監督)など数々の映画作品などで演技力が高く評価されている川上奈々美。
同じく主人公の家族代行業・三上健太(ミカミ ケンタ)役には、「パッチギ!」(井筒和幸監督) や「母 小林多喜二の母の物語」(山田火砂子監督)「シーボルト父子伝~蒼い目のサムライ~」(演出:木村ひさし)など映画や舞台で存在感を放つ塩谷瞬。
朋子の元夫・松永将司(マツナガ マサシ)役には劇団ロロ所属、映画「カラオケの夜」(山田佳奈監督)で主演を務めた亀島一徳。朋子の娘・河合さくら役には100人の子役オーディションを勝ち抜いた丸﨑琴、しおんが本作でスクリーンデビュー。
監督は、数々の監督の下で助監督として経験を積み、職業蔑視されるAV女優を描いた初監督作品「エターナル・マリア」(2016)でスマッシュヒットを飛ばした阪本武仁。本作が長編2作目となる。
映画『レンタル × ファミリー』
2021年2月から2022年夏にかけて撮影、2022年冬以降に全国順次公開の予定
映画『レンタル × ファミリー』
2021年2月から2022年夏にかけて撮影、2022年冬以降に全国順次公開の予定


シングルマザーの朋子(27)はフリーのデザイナーとして仕事をしながら一人娘のさくら(5)を育てている。父親がいないことを不憫に思った朋子は、ネットで見つけた家族レンタル会社に父親のレンタルを依頼する。理想の父親を演じてくれる家族代行業の三上(33)に初めは戸惑いながらも少しずつ心を開いていくさくら。しだいに三上に懐くようになり、定期的に通ってもらうようになる。プロ意識が高く理想の父親を演じてくれる三上に好感を持つ朋子。月に1回の三上との時間が本当に嬉しそうなさくら。そんな時、朋子とさくらの元に元夫の松永(34)が突然現れ―。



河合朋子役
川上奈々美 かわかみ ななみ
ドラマ「全裸監督」(武正晴監督・内田英治監督)にて注目を集める。他出演作に「東京の恋人」(下社敦郎監督)(主演) 「悲しき天使」(森岡利行監督)「メイクルーム」(森川圭監督)「下衆の愛」(内田英治監督)「ゾッキ」(竹中直人監督・山田孝之監督・齋藤工監督)など。

三上健太役
塩谷瞬 しおや しゅん
02年特撮TVドラマ「忍風戦隊ハリケンジャー」の主役ハリケンレッド役で俳優デビュー。以降「Dr.コトー診療所」「白夜行」「弁護士のくず」といった話題のドラマに出演。映画では井筒和幸監督の「パッチギ!」(04)で主役を務め日本アカデミー賞の新人俳優賞やヨコハマ映画祭の最優秀新人賞を受賞。「出口のない海」(06)「象の背中」(07)「少女たちの羅針盤」(10)「アウターマン」(15)「ヴィヴィアン武装ジェット」(17)「母 小林多喜二の母の物語」(17)などに出演。

松永将司役
亀島一徳 かめじま かずのり
劇団ロロ所属。
ヨーロッパ企画などの外部公演にも多数出演。映画「カラオケの夜」(山田佳奈監督)(19)主演。

河合さくら(5)役
丸﨑琴 まるさき こと
テアトルアカデミー所属。本作でスクリーンデビュー。

河合さくら(9)役
しおん
劇団こどもSET所属。本作でスクリーンデビュー。

監督
阪本武仁 さかもと たけひと
学生時代、『パッチギ』(03/井筒和幸監督)に演出部ボランティアスタッフとして参加。卒業後上京し『大帝の剣』(06/堤幸彦監督)、『手紙』(07/生野慈朗監督)、『キトキト!』(07/吉田康弘監督)、『20世紀少年~もう1つの第二章~』(08/堤幸彦監督・木村ひさし監督)、『告白』(09/中島哲也監督)などの作品に助監督として参加。映画『エターナル・マリア』(2016)で長編映画の初監督を努める。
撮影
飯田佳之 いいだ よしゆき
飯田佳之 Yoshiyuki Iida 大阪芸大映像学科映画コース卒。東映京都にて映画の撮影助手としてキャリアスタート。 拠点を東京に移し、CM/映画/PV中心に活躍。 中島哲也監督作品を多く出がける阿藤正一カメラマンに師事。 『九月の恋と出会うまで』(2019/山本透監督)、『踊ってミタ』(2020/飯塚俊光監督) 撮影を担当。『かぐや様は告らせたい』(2019/河合勇人監督)『AI崩壊』(2020/入江 悠監督) Bカメ撮影を担当。
プロデューサー
南 陽 みなみ よう
大学卒業後、3年間のサラリーマンを経て『パッチギ!LOVE&PEACE』(2008/井筒和幸監督)にて映画に携わる。『アイドル・イズ・デッド〜ノンちゃんのプロパガンダ大戦争〜』(2015/加藤行宏監督)にて劇場公開作品のプロデューサーデビュー。以後、プロデュース部として数々の作品に携わる。『エターナル・マリア』(阪本武仁監督)、『淵に立つ』(2016/深田晃司監督)、『洗骨』(2019/照屋年之監督)、『いちごの唄』(2020/菅原伸太郎監督)など。公開待機作に『君は永遠にそいつらより若い』(吉野竜平監督)『唐人街探案3』(陳思誠監督)など。
編集
磯部鉄平 いそべ てっぺい
ビジュアルアーツ専門学校大阪卒業。小谷忠典監督のドキュメンタリー映画『フリーダ・カーロの遺品』(2015)に海外撮影スタッフとして参加。帰国後は映像フリーランスとして企業VP、MVのディレクターや、インディーズ映画のスタッフとして活動する。主な参加作品は「見栄を張る」(助監督、編集)、「コントロール・オブ・バイオレンス」(制作)など多数。2016年から映画製作を開始。国内外の映画祭に多数入選、受賞する。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭にて3年連続受賞という快挙を成し遂げ、今後飛躍が期待される映画監督。2019年、同級生の谷口慈彦と共に映像制作会社belly roll film(ベリーロールフィルム)を設立する。2020年長編映画「ミは未来のミ」、短編映画「予定は未定」「オーバーナイトウォーク」が東京のアップリンク吉祥寺にで劇場公開される。2021 年秋公開予定、信越放送創立70周年記念映画「ペルセポネーの泪」( 主演:渡部秀/剛力彩芽) の監督を務めることが決定した。その他、劇場公開待機中の新作映画が複数控えている。
プロデューサー
和田 裕之 わだ ひろゆき
2019年4月放送のサンテレビ初の連続ドラマ「元町ロックンロールスウィンドル」(監督:島田角栄 主演:鳥居みゆき)プロデューサーとして参加
映画監督 磯部鉄平の監督作品「オーバーナイトウォーク」の製作協力を経て、磯部鉄平監督とのタッグでインディーズ映画製作に取り組む。
・Japan Wing株式会社 代表取締役
・映画監督 島田角栄 製作協力
映画「ヴィヴィアン武装ジェット」キャスティング協力
映画「デッドフラワーズ」ロケ地協力
サンテレビ初連続ドラマ「元町ロックンロールスウィンドル」統括プロデューサー
・映画監督 磯部鉄平 製作協力
映画「オーバーナイトウォーク」
プロデューサー
小林 加奈 こばやし かな
『コバイチの嫁channel』で活動中のYouTuber。
元モデルという経験を活かし、消費者目線で購入の参考になるストッキングレビューを日々投稿している。
2020年末にYouTube Creator Awardsの記念銀の盾を取得。
複数のアカウントを運営しており、チャンネル登録者数は20万人(2021年4月現在)。
レンタルファミリープロジェクトのSNSやコンテンツの配信・プラットフォームの開発、クラウドファンディングなどを担当する。
音楽
原 夕輝 はら ゆうき
大阪音楽大学卒業後、ゲーム制作のサウンド担当を経て作編曲家として活動を始める。映画やCM、ゲーム、イベント等の音楽に多く携わる。これまでの主な参加作:「本気のしるし」、「VR勇者さくら」、「HOMIE KEI〜チカーノになった日本人〜」、「TUNAガール」、「アストラルアブノーマル鈴木さん」、「君がいて完成するパズル」、「脱脱脱脱17」、「沈まない三つの家」、「うるう年の少女」、「あの娘、早くババアになればいいのに」、「アイドルイズデッド」シリーズ、「五日市物語」、「幸福のスイッチ」、「リトルホスピタル」など


———「レンタル × ファミリー」の企画が生まれた経緯を教えてください
阪本:ワイドショーで家族レンタルサービスの特集を見て、興味深いサービスだなと思ったのが一番始めのきっかけです。
家族レンタルサービスを調べるうちに、石井裕一氏の著書「人間レンタル屋」と出会い、書かれている内容に驚き、
もっとそのサービスを利用している人、関わっている人を深く知りたいと思い取材を始めていきました。
———なぜこの作品を撮ろうと思ったのですか?
阪本:私自身、小さな子供が二人いて、子供達にとってどういう家庭が幸せなのか、
家族のあり方について色々と考えて生きています。
このサービスを考えれば考える程、サービスを利用している依頼者の心理、その子ども達の
心理がとても知りたくなりました。
それらを描いてる作品がなかったので、それを見てみたい、描いてみたいと思いました。
見栄や体裁を気にする日本人の心の隙間を補填する人材レンタルサービスがとても興味深く、
またそれを必要としている社会が実際にあり、今現実に起こっていることなので、
今描くべきものなのではないかと思いました。
———脚本づくりはいかがでしたか?
阪本:とても難航しました。本当に苦しかったです。
当初は完全オリジナル脚本で1人だけで書いていました。
途中から、「人間レンタル屋」を原作・モチーフとして扱う事になり、
原作にあるエピソード2つを組み合わせ、1つのストーリーにまとめることになりました。
3人で描いているので、それぞれの好みやセンスが異なるので、まとめるのが大変でした。
何度も何度も書いては書き直し、討論するというのを繰り返しをしました。
脚本家以外のスタッフの意見を聞き取り込み、また修正するという繰り返しがしばらく続きました。
———数あるエピソードの中からこれを選んだ理由は?
阪本:娘に嘘を付いてまで長期に渡って父親をレンタルをするというエピソードが一番心に深く刺さり、
頭にこびりついて取れなかったからです。
娘の為を思って母親はレンタル父親を依頼していますが、長い目で見た場合、それは果たして正しいことなのか?
娘にとって本当に良い事なのか?ただの母親のエゴなのではないか?など色んな思いや感情が湧いてくる題材なので、
これを選びました。
———撮影ではどういった部分に苦心されましたか。
阪本:出来るだけ自然な芝居を撮ることに苦心しました。
出来るだけここにはこだわりたいと思っていました。
ドキュメント、リアルに見える部分を多く残したかったです。
台本があり、テストをしてからの本番なので、どうしても芝居が固まってしまうのですが、
それを出来るだけ固まらないようにすることが大変でした。
テイクを重ねれば重ねるほど、慣れてきてしまうので、
極力少ないテイクで決めたいと思っていました。
また初めて一緒に作品を作るスタッフ、俳優部が多いので、それぞれが思っている事の
共有、相互理解などに苦心をしました。
———俳優部とご一緒していかがでしたか?
阪本:初めての方がほとんどでしたが、クランクイン前にそれぞれ何時間も作品について話をしました。
皆さん、とても素敵な俳優部で、良きものが撮れたと思っています。
中でも川上奈々美さんの演技は必見ですので、是非ご覧頂ければ幸いです。
———ロケーション選びについてこだわりを教えてください。
阪本:リアルに見えるかどうかということと、
その建物だけ、部屋だけで物語が膨らんで行く、想像が広がるようなところを選びました。
府中のアパートスタジオで撮影したのですが、佇まいが何とも言えない映画的という表現が正しいかわかりませんが、
人間ドラマを感じる場所でした。
———撮影中の忘れられないエピソードはありますか?
阪本:良い事も悪い事も沢山ありすぎてここでは書ききれないですが、
公園のシーンで雨が降るという予報だったのですが、実際は晴れて綺麗な映像が撮れたのが、
とても印象に残っています。
塩谷さんは現場はほぼ100%の晴れるそうなので、本当にそうなりかなり驚きました。
———今の素直なお気持ちを聞かせてください
阪本:多くの方々に見て頂ければと思いますが、
特に家族をこれから持つ人、持っている人に是非見て頂きたいと思っています。
賛否両論あるサービスではありますが、
それぞれに事情があり、このサービスを依頼した人がいます。
またそのサービスを受ける依頼者の子供達がいます。
この瞬間にも多くの子供達がそのサービスを受けています。
子供に嘘を付いているけど、その時間だけ愛情がある幸せな家族。
血が繋がっているけどDVをされたり、愛情がない家族、現実としてどちらもあるけど
皆さんはどう思いますかというのを作品を通して問いたいと思います。
家族レンタルサービスをすべて肯定するわけではないし、すべて否定するわけではないです。
是非見て頂き何かを感じ取って頂けたら嬉しいです。
〈2022年公開予定映画〉


原作:石井裕一著「人間レンタル屋」(鉄人社)
出演:塩谷瞬、川上奈々美、亀島一徳、丸﨑琴、しおん 他
脚本・監督:阪本武仁
プロデューサー:南 陽、和田裕之、小林加奈
制作プロダクション:アリエルガーデン
配給:アリエルガーデン
著作表記:©『レンタル × ファミリー』製作委員会
©「レンタル × ファミリー」製作委員会(2021年/日本/ワイドスクリーン/カラー/ステレオ)
お問い合わせ
info@ariel-garden.com
06-4799-9262 (平日10 時〜18 時)
アリエルガーデン 中島(なかじま)・阪本(さかもと)